JUNQUO的博客

「もっと知性にやう゛ぁんを」を座右の銘にするにむらじゅんこのヨロズ帳
from 巴里・上海・東京。
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上海ミルク飴
 私のお父さんが上海に来てくれたとき、
 「会社の人たちに、上海土産として適当な箱詰めお菓子でも買いたいんだけどー。何を買ったらいいかわからないな」と悩んでいました。
 東京だったら「ひよ子」、パリやブリュッセルだったらチョコレート、北京なら麻花、広東でしたら杏仁豆腐などがあるでしょう。でも、上海の土産菓子って……?

酸昆布のような味の果実や、甘過ぎる蜜銭(ルビ/みつせん)、ヒマワリの種のようなものはあるけど、こういうババ菓子類は見栄えも悪いんですよね。

こんな状況下、在上海アメリカ人たちの間では「大白兎」ブランドのミルクキャンディーをお土産にしている方が多いと知りました。飴ごときを土産にするのは多少気がひけちゃうけど、実は「大白兎」は上海甘味の顔! この飴は、周恩来の好物で、1972年に周恩来がニクソン大統領にプレゼントをして以来、アメリカで「White Rabbit Candy」と呼ばれ、チャイナタウンの人気商品になっていきました。

右はミカン入り(新製品)。左はあずき入りミルクキャンディ

 オブラートに包まれたミルク色のこの飴、包み紙には“牛乳飴”と記され、ほのかな練乳の味がします。レトロなデザインの包装紙は、1959年から変わっていません。上海では、食料が不足気味だった70年代に“固形牛乳”として流行し、「飴7粒が牛乳一杯の栄養に相当する」との神話が生まれ、お湯に溶かして飲む習慣さえ根付いていました。

骨董屋さんで発見!

 もちろん、牛乳は、外国人たちが上海にもたらしたものです。中国西方では羊のミルクなんて飲んでいましたが、東海岸には乳製品文化は租界以前には、ほとんどありませんでした。



食生活への乳製品の導入は、上海人たちの健康の概念を覆しました。従来、道教や儒教的文化背景のもとでは、健康という言葉は「長寿」と同義語に近かったはずです。ところが租界時代に西洋文化の中で暮らしていた上海人たちは、健康が「健やかな肉体」に結びつくことを覚えていきました。均整のとれた丈夫な体は、理想的な家族像に結びつきます。こうして、「家族愛」のイメージを背負った牛乳のまろやかさは、まるで「優しいママ」の象徴のように上海家庭に浸透していったのです。


 このミルクキャンディ「大白兎」を製造している会社「冠生園」は、1918年創業の老舗食品会社です。租界時代のコスモポリタンな上海で生まれ育った「冠生園」は、上海の食風景を塗り替えた革新的なブランドとして知られています。大量の舶来食品が上海市場を占めていた中、「中国人のための中国お菓子を作ろう」と、31才の洗冠生が思い立ち、自宅で作った砂糖菓子を映画館で歩き売ることからスタートします。
まんなかのまんまるの方が創始者です

最初はこんな道具で作っていたそうです

洗氏に商売の才能を見い出したのは、中国映画の父として知られる鄭正秋(チョン・チョンチウ)でした。鄭監督が仲間に声を掛けて資金を調達し、こうして「冠生園」が創立されます。
 上海では、1896年、“西洋影劇”という名で映画が上映されます。初めて中国の人々の目に触れた映画は、内陸大都市へと広がっていき、やがて新しい娯楽として中国に定着していきます。映画の爆発力とともに、「冠生園」の菓子も上海から重慶や南京などの都市に流布されていきました。また、当時の大人気女優・胡蝶をイメージキャラクターに用いたりするなど、商品の宣伝に非常に力を入れたことでも知られています。
トラムウェイを宣伝手段に

 現在、冠生園は、中国でも最大規模の食品集団として「ダノン」「コカ・コーラ」「大塚製薬」などと提携して二千以上に及ぶヴァラエティーに富んだ食品を提供していますが、そんな中、既に47歳の大白兎も相変わらずの跳躍ぶりを見せています。大白兎の年間売り上げ総額は、6.1億元。さらに、海外での利益は1.6億US$ 。世界47ケ国の人々に愛されているそう。6億円分の飴って、いったい何個なんでしょう?


おまけ:変な新聞記事発見。「老人が派手な交通事故にあった。気を失って倒れた彼のポケットからは、ミルクキャンディーが! 調べると、老人は骨折さえしていなかった。特別に体を鍛えているわけではなかったが、大白兎のミルク飴を長年にわたってなめていたのでカルシウムが充分に補給されていたと考えられる、うんぬん」本当にあった話らしいです

ちなみにこの飴も同じ会社。包み紙がレトロ!
| にむらじゅんこ | シノワ | 11:36 | comments(8) | trackbacks(13) | pookmark |
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う、コレ私の大好物。
中国人夫を持つ私の友人が、時々くれるのです。
コレを食べるたびに、ミルキ〜はママのあじ〜♪って歌ってしまいます。こういう甘さが大好きなんです。
そういえば、小さい頃から「ミルキー」も好きだったから
だから「大白兎」の創始者みたいな体になっちゃったんだろうか。
| kadoorie-ave | 2006/10/25 4:45 AM |
みかん入り!?食べたい!と思いすぐ大学の購買へ走りましたが、ありませんでした。残念。
明日、カルフールへ探しに行っちゃうかも。。。
わたしもコレがお土産の定番です☆包み紙のかなりリアルなうさぎ(ちょっとこわい)とビニールのパッケージのやんちゃそうなうさぎのアンバランスさがまたいい。
| nimunimu | 2006/10/25 6:09 AM |
Kadoorie さん、 nimunimu さん
このアメを作っている会社に、小小珈琲館のノリコさんと見学にいきました。オロナミンDとかも大塚と連携して作っていましたよ。確かに、コンビニなんかでもミカン味や小豆味は売っていませんね。アメを作っている会社の外にある「売店」で買いました。他にもチョコレート味やカーフェー味もありました。

| junquo | 2006/10/25 10:50 AM |
この飴、空港では街の3〜4倍の値段で売っているので、絶対に空港で買わないほうがいいです
| junq | 2006/10/29 7:35 PM |
じゅんこさん、こんにちは!
(大変お世話になりました。)上海の短い秋、とても心地よくて素敵でした。確かに、このミルク・キャンディーも、空港では吃驚のお値段になってました。スーパーで、プレーンなのとミント味を買いました♪やっぱりこれ大好き!
どこにでも沢山売ってたけど、ついつい、最初に作ってたときの道具が頭に浮かんでほほえましく思えました。
| kadoorie-ave | 2006/11/02 10:21 AM |
こんにちわ!はじめまして(*´∀`*)
フレンチ上海を読みました。とっても素敵な内容でした!
特にタンタンのページが好きです♪
上海に行ったときにはこの飴のこと知らなかったんですが、カナダに居たとき友達の香港系カナダ人がくれました!ミルキーよりも美味しいですよね!!
もう一度食べたかったんですが、なんていう飴か知らなかったので、1年越しに分かり今凄くすっきりしてます^−^ありがとうございました!
| 紗代 | 2006/11/09 10:38 PM |
紗代さん
はじめまして、こんにちわ! 本を買ってくれてありがとうございます! 嬉しいです。大白兎(ダイバイトウ)飴、私も中毒です…。虫歯に気を付けないと。画家のヨゼフ・ボイスも、この飴が好きで、コラージュ作品に使っているみたいですよ。
| JUNQUO | 2006/11/10 9:13 AM |
追加事項です。
Joseph Beuys のカタログレゾネ『multiples』が図書館にあったので見てみました。ぱっとみたところ、ホワイト・ラビット飴紙はなかったのです。もしかしたら、ノートブックなどに挟まっていたり、大きなポスターのコラージュに使われていたので写真では見えなかったのかもしれません。でも、「Hare Sugar(1972)」という作品があり、この左側の兎が包み紙の兎ちゃんと似ています。
しかし、兎フリークだったボイスが大白兎がスキだったのは何の不思議もない感じがします。
| junquo | 2009/10/19 2:15 PM |









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