JUNQUO的博客

「もっと知性にやう゛ぁんを」を座右の銘にするにむらじゅんこのヨロズ帳
from 巴里・上海・東京。
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「大上海」のトポス


この『時空旅行ガイド─大上海』(情報センター出版局)を読了。

ちょっと前に、アメリカと日本では、最近、旅をする人が激変したと下川裕治さん(バックパッカーの王様とよばれる作家)から聞いた。これは、 自分たちの尺度を何処にでも押し付けようとしているリーダーたちの影響ではないかと私は思った。
 地形(トポグラフィー/topography)とトピック(topique)という言葉が、トポス(topos)という「場所」を意味するギリシャ語から派生した言葉だというのを思い出してほしい。「ひとつの場所には新しいアイディアやヴィジョンがある」。古代ギリシャ人たちは、こんな風に思っていたはずだ。残念ながら、「トポス」から、こうした詩的なレトリックな意味が剥ぎ取られて久しい。「place」という言葉からは、「人物やモノが占める空間」というような、実に合理主義的で実用的な響きしか伝わってこない。
 だとしたら、街には、「place」と「topos」があると思う。すごく残念ながら、東京は、最近、限りなく placeになっているとおもう。ビジネスの場所であり、エロスを押し殺した殺菌済みのオシャレなショッピングの場所。
 「上海はどうか」、と言えば、見る人によって異なる街だと思う。例えば、モーレツ・ビジネスマンにとっては、ビジネスチャンスの place にしか見えないだろうし、私のような夢想家にとっては上海は限り無くワンダフルなtopos。
 『大上海』は、上海の地に染み付いている過去の記憶の断層を読み取りたい旅人には好書(でも1990円は高いなあ)。私が好きなページは、上海ボルシチの作り方。香港にも、パリにも、NYにも、台湾にも、東京にも亡命ボルシチが存在するけど、亡命してローカル化した世界のボルシチを「ディアスポラのボルシチたち」としてレポートしたくなってきた。
| にむらじゅんこ | 上海 | 09:36 | comments(5) | trackbacks(13) | pookmark |
フレンチシノワな上海ファブリック
ベネッセの雑誌「NOI(ノイ)」の仕事で上海に帰郷(?)。
数ヶ月ぶりに友人のダイディに合いました。彼女としゃべるときは、英語をベースに中国語とフランス語をごっちゃにしたチャンポン。



実は、彼女にはフランス人の旦那さんがいて、上海のフランス租界でふたり暮らしをしています。
ダイディは、フレンチシノワな雑貨「上海組合」のメイン・デザイナー。彼女のことを上海一才能がある雑貨デザイナーだと私は密かに思っています。
復興西路にあるスパニッシュ・コロニアル・リヴァイダル風の一軒家を改造したアトリエにいくと、ショールームに、こんな布団が干してありました。


「この布団カバー、あなたが作った?」と聞くと
「そうよ。この花柄のファブリックの部分は上海伝統生地なのよ」
「え? もしかして租界時代のオリジナル?」
「そう。これ、すごくシャンハイニーズよ。1930年代か40年代初期のデザインよね。もう製造しているかどうかはしらないけど、この柄は小さなときからずっと見慣れてきたし、母も祖母も見慣れているとおもう。今でも里弄(ローカル団地のこと)に行けば、この柄のテーブルクロスや布団&クッションカバー、みられるわよ」

実は、この手の1930-1940年代柄ファブリックは、今でも郊外に行けば購入可能なんだとか。ミワちゃんも上海ファブリックを集めている。

で、パリに住んでいるミリアム(Petit Pan のオーナー兼デザイナー)も中国伝統柄ファブリックを集めている。
PetitPan

で、中国伝統ファブリックが今のマイブーム。BAGや小物をデザインして、裁縫屋さんに作ってもらおうっと。
Shanghai Trio Show Room 復興路37号6号 看板もない隠れ家ですが、探してみて。
| にむらじゅんこ | 上海 | 00:30 | comments(4) | trackbacks(44) | pookmark |
BS朝日『亜細亜見聞録』
『亜細亜見聞録』というBS朝日の番組に出演しました。ナビゲーターの石川次郎さんに、上海フランス租界を御案内しました。BSの放送なんで、何度も再放送するようだけど、次回は、8月19日(日)20:00から。拙書『フレンチ上海(平凡社)』をネタに御紹介した番組なので、本の中で紹介した建物がハイビジョンの綺麗な画像で写っています。見てね。
御案内した場所は、1930年代の華洋折衷文化を再現した空間『雍福會(ヨンフーエリート)』。
フランスの音楽会社パテ・マルコニ(仏EMI)が作ったレコーディングスタジオを使ったレストラン『La Villa Rouge(ラ・ヴィラ・ルージュ)』。
プラタナスが綺麗な文化的なストリート、『紹興路(シャオシンル)』。
上海のSOHOと言われる『泰康路(タイカンルー)芸術街』。などなど。

上海フランス租界が好きな方ならば、マストの場所。
でも、上海仏租界には、ゾルゲも通っていたコミンテルンの集会所、アグネス・スメドレーが住んでいたアパルトマン、カトリック孤児たちが作ったアールヌーヴォーのステンドグラスが美しいフレンチスクールなんかもあるんです。私的には、こっちのほうを、みせたかったなあー。


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| にむらじゅんこ | 上海 | 19:47 | comments(0) | trackbacks(2) | pookmark |
上海租界料理 上海×フレンチ×ロシア
上海には、上海風西洋料理があります。それは、国際色豊かだった租界時代にミックスされた味で、レトロな「租界料理」と呼ぶべきもの。日本の西洋料理にも通じる所があるんです。例えば、「西洋炒麺(ナポリタン)」を頼むと、これが、ちょっと前まで日本の喫茶店なんかで出されていた甘いケチャップのナポリタンそのもの。味付けもびっくりするぐらい一緒!

西洋炒麺=ナポリタン



もしも料理にも「言語」のような体系(ラテン系とか、ゲルマン系のように)があるのならば、きっと、料理の日本のコードと上海のコードが似ているんですね。ジャン(ソース)の使い方とか、塩梅のセンスとか。

上海風ボルシチ

拙書『フレンチ上海』(平凡社)の中では、ボルシチを真似た「羅宋湯(ルォスタン)」や、ロシア経由のポテトサラダ「色拉(サラ)」、そして、エスカルゴの代用にハマグリを使った「法式烙蛤(虫利)(ファーシールゥォハリ)」を紹介しましたが、本に乗せきれなかったコトをここに記しておこうとおもいます。

上海サラダ(右)とはまぐり代用エスカルゴ(左)

 ロシア経由のポテトサラダ「色拉(サラ)」は、通称「上海サラダ」と呼ばれます。日本のお惣菜屋さんにもあるような、キュウリやグリーンピースなどの野菜に、小さくチョップしたソーセージやハムがミックスされた、あのサラダ! でも、リンゴやパイナップルなどの果物が必ずミックスされているところが、上海風(シャンハイニーズ)なのだそう。

上海人作家の陳燕丹によりますと、このポテトサラダは最も上海らしい一品なのだとか。贅沢が出来なかった時代にも、上海女性たちは、腕が痛くなるまで卵とレモンをかき混ぜてマヨネーズを作り、このサラダで昔を偲んでいたと言われます。
この「上海サラダ」について 私が好きな上海女流作家の陳丹燕のエッセイ『上海メモラビリア』にあるのですが、とにかく上海を代表する華洋折衷の代表料理で、中華料理店でも冷菜として用意されているぐらいにポピュラーです。

実は、このサラダはフランスでは「サラダ・リュス(ロシアンサラダ)」と呼ばれているんです。フランスにいたときに、学食ででていたから、よく食べていました。でもフランスのものは、ポテトの量が少なくてマヨネーズの油がきつく、あまり美味しくなかったので私は好きじゃなかったのです。


逆に、ロシアでは何と呼ばれているかというと、これが「オリビエ・サラダ」。このオリビエというのは、1860年代にモスクワで腕をふるっていたフランス人シェフの名。だから、ロシア人たちは、このサラダをフランス由来だと思っている。フランス人は、このサラダはロシアのものだと思っている。上海人は、上海のモノだと思っている。オリビエ氏のサラダは、別名「首都サラダ」とも呼ばれ、フランス風料理としてモスクワに定着したのだそう。あの頃、ロシア宮廷はフランスかぶれで、サロンでは貴族たちがフランス語を話していたとか言うものね。


小さなお店で、こうした上海租界料理を食べているおじいさんやおばあさんたちをみると、彼らのまがった背中には、彼岸となりつつある上海への郷愁がにじみ出ているような気がするのです。ヨーロッパを夢見ていたダサ可愛い、ミルク色の上海の。

 この写真は、フランス租界の華亭路の一軒家に侵入して撮りました。
| にむらじゅんこ | 上海 | 19:14 | comments(3) | trackbacks(6) | pookmark |
村松伸さんと上海フランス租界を探索。小小珈琲舘でほっこり。
私が伸さんの存在を知ったのは、大学生のころです。パルコ出版というところから出ていた「上海―都市と建築」という本を手にとったことがきっかけでした。それから、ずいぶん時が以上たち、伸さんに直接出会いました。実際の伸さんは、1954年生まれだというのに、10歳以上若く見えるので
「どうして、若く見えるのですか?」と聞いていると「それは、村松体操のおかげなんだよ」と教えてくれました。美容にもいいと言っていました。

伸さんは、「上海」mAAn(modern Asian Architecture Network)というプロジェクトをやっています。アジアの様々な建築関係の人とのネットワークなのですが、皆でアジアの古い町並みや建築を守ろうとしています。
http://www.m-aan.org/
もうすぐ、mAAn出版部もできて、本も出すんですって。楽しみー。

最ところで、最近、上海の町並みがめまぐるしく変わっているということにショックです。私の住む界隈も、おまんじゅうや、お粥さんを売る小さな食堂が次々につぶれ、今ではすべて服を売るブティックに変わってしまいました。

かすかな練乳の香りが湯気に漂う朝が気に入っていたのに。

古い洋館に住んでいた友人も地上げされ、素敵に老いていたその洋館も、今ではtoo much にピカピカに改装されて3ヶ月前の家賃の4倍でアメリカン・チャイニーズに貸し出されています。

それでも、若い上海人たちの間では、大量消費的な権力を冷たい目で見ている人もいます。スローな生活様式に憧れる女の子や、もっと知性がある生活様式を求めている男の子がやってくるカフェが、「小小珈琲舘(シャオシャオ カフェグワン)」です。


オーナーは、エコロジストの法子さん。無印良品で商品企画をしていた方で、雑貨のプロでもあります。ここのコーヒーは、ポリティカリー・コレクトなフェアトレードの東ティモールのもの。イスやテーブルも拾ってきた素材で作りました。「上海のマータイさん」とは、ずばり、この人なのです。

集まって来る人もおもしろい。エコロジーとか、NPO、スローフード、アート、写真、映画、フィールドレコーディング、反グローバリゼーション、マルチチュード、カルチャージャミング、なんかに興味ある子たちが集まってくるの。若い子たちが、そんなコトを中国語で一生懸命語り合っている姿って本当に可愛い。「あー。上海も捨てたもんじゃあ、ないね」と思う瞬間でありました。






しんさん
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| にむらじゅんこ | 上海 | 19:42 | comments(2) | trackbacks(2) | pookmark |
フレンチ上海! French Changhai
〜華洋折衷の1世紀、東洋のパリを歩く〜

 フランスの面影を発見・追憶する上海の旅はいかがでしょう?
上海の旧フランス租界の真ん中に古い洋館を借りて3年目に突入しました。10年以上住んでいたパリからやって来た にむらは、上海のフランス租界に不思議な「フレンチタッチ」を感じながら暮らしてきました。 それは、「法国伍桐(フランスのあおぎり)」と呼ばれるプラタナスの街路樹だったり、アールデコなどの建築だったり。都市の記憶の残照のような、今も息づくエスプリを追いかけ、様々な文献、昔の新聞、論文を調べ、カメラ片手にフランス租界を歩いて路上発見を繰り返してきた成果が、平凡社コロナブックスから7月下旬に出版されます。
 

 昨日、やっと表紙案もできあがりました。
桜井デザイン事務所で、桜井久さんと坂詰さんが手掛けてくれました。ふたりとも非常に聡明でセンスが良く、とっても可愛い本になりそうです。平凡社の清水さん、ありがとう。
 私は案1(左)がいいのですが、どうやら案2(右)になりそうです








カヴァー1カヴァー2
| にむらじゅんこ | 上海 | 23:27 | comments(11) | trackbacks(21) | pookmark |
上海産カルチャージャマー、吉吉さん
上海の私の家の前には、ちょっとお洒落なお店があります。第一線で活躍しているグラフィック・デザイナー、吉吉(ジジ)さんのお店です。

中国共産党のアイコンである工農兵がキスをしあったり、徽章であるハンマーと鎌がナイキのマークに見立てられたり。毛沢東語録ではなくて、ゲームボーイを持っている人民…。

 政治は、ポップなカートゥーン? 上海では、デザインは楽しいゲリラ行為になりました。上海人の吉吉(ジジ)さんは、ニヒルなジャマーです。

彼は、行き過ぎた資本主義を揶揄していると言っていました。
「僕の父は軍人。母は鉄道職員でした。文化大革命は、両親にとっては苦い思い出なのでしょうが、必ずしも僕らにとっては悪いものではありませんでしたよ。物が少なかっただけに、自分たちで作っていました。玩具はなかったから、動物の骨とか拾って組み合わせたり、砂袋を縫ったり。あと、近所に住む同世代の子たちとチームを作って遊んでいましたね。マンションでコンピューター・ゲームしている今の子供よりもストレスは少なかったですし、自由な発想はこうした質素な暮らしから生まれてきたものだと思うのです」

でも、まだお若いジジさん。大企業の広告を作っているだけに、時間に追われて、忙しいみたい…。せっかく、センスが良いのだから、こうした才能を社会のために役立ててほしいです。ジジレッツキスcapゲーム


莫干山路50号に彼のオフィス兼ショールームがありますね


| にむらじゅんこ | 上海 | 02:54 | comments(2) | trackbacks(1) | pookmark |
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