JUNQUO的博客

「もっと知性にやう゛ぁんを」を座右の銘にするにむらじゅんこのヨロズ帳
from 巴里・上海・東京。
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縮退 持続可能な発展は不可能
「持続可能な発展は可能だ!」などと、国連をうのみにした言葉をいまどき吐けば、フランスでは「エコぺてん師」と呼ばれることでしょう。
 


7月13日のエントリーでとりあえた「縮退」について、Le Monde Diplomatiqueの記事を訳しました。

http://www.diplo.jp/articles09/0908-4.html



 「decroissance(デクロワッサンス)」という概念は、フランスで、かなり市民権を得るようになりました。私たちはこの言葉を「縮退」と訳しました。

decroissanceは、「croissance(クロワッサンス)」に否定辞を付けた新語で、不断の経済成長というパラダイムの批判を意味しています。このアイディアを最初に提言したのは、ニコラス・ジョージェスク=レーゲンでした。

decroissanceを「経済の収縮」などと訳すこともできるかなと思いましたが、この言葉の持つ概念は経済だけにとどまりません。経済というよりも、むしろ、政治的、哲学的な問いを提起している言葉なのです。

また、縮退の「退」という字には、時間的な観念を含んでいて、過去の美点をお手本にする、というような意味合いを込めて「縮退」にしました。

decroissanceは、エコロジストやオルターグローバリストたちの間だけではなく、国会の答弁でも用いられるほど広範に使われる言葉となっています。

「ロハス」の次は、いよいよ「縮退」が来るのでしょうか。
| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 08:59 | comments(10) | trackbacks(31) | pookmark |
縮退新聞 『ラ・デクロワッサンス』


フランスのリヨンには、不思議なカルティエがある。クロワ・ルゥッスとかいうカルティエなんだけど、手っ取り早く言えば、アナーキストたちのカルティエだ。東京で言えば、高円寺“解放地区”みたいな感じの界隈なのだ。「高円寺と姉妹地区になるべきだ」と前から思っていたけど、このリヨンの一角が今、熱い。


私が始めてこのカルティエを訪れたのは、今から7年ぐらい前のことだったと思う。『Adbusters(アドバスターズ)』のフランス版である、『Cassueurs de Pub(カスール・ド・ピュブ)』編集部にインタビューに行ったのだった。
そして、『Cassueurs de Pub』編集部は、『La Décroissance(ラ・デクロワッサンス)』という月刊新聞を2004年から発行していて、割と成功を収めていることを知った。


Décroissanceというのは、日本語でいえば(経済の)「縮退」とでも訳せようか。 英語では、developpementの反対の言葉だ。とどのつまるところ、「限りある地球で、さらに“発展”を欲することは論理的でない!」 という主張である。 こうした主張に賛同する人が読む新聞が、この『La Décroissance(以下、縮退新聞と記す)』というわけだ。
縮退新聞は月刊で、発行部数は二万部。普通のキオスクで買うことができる。私は、7月号をメトロのキオスクで購入した。

さっと目を通したところ、『Cassueurs de Pub(広告破壊屋)』編集部が作っているだけあって、縮退新聞のトーンは攻撃的。イラストのタッチから左翼臭が少々感じられる。今月号の特集は、「エコペテン師特集」。エコロジーを免罪符代わりにしているエコペテン師たちが糾弾されている。
また、「今月のエコペテン商品」なるコラムや、フェミニストのコラムもある。
読んでいて痛快なことも多いが、縮退新聞は、今のところ、糾弾するだけで縮退社会の未来像を描いていないことがちょっと残念。まあ、これからの課題といったところだろうか。

この『縮退新聞』、実は「縮退党(Parti pour la décroissance)」なる政党すら持っているという。まだまだ超弱小政党のようだけど…。

ところで昔『クロワッサン』っていう小洒落たマダム雑誌があったけど、あれは「発展」物語の雑誌だったのだと、今ごろながら、ふと気がついた。実際のところ、日本の経済発展が終わったところであの雑誌の役目はもうなくなったものね…。今度は、マガジンハウスは、『デクロワッサン』という名前のマダム雑誌を出せばいいのでは? だって、「縮退」は、好もうと好まざかろうと、21世紀の人類の課題なのだから。


 

| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 05:45 | comments(3) | trackbacks(71) | pookmark |
クパ保釈

 
1月27日付の投稿記事でとりあげた、ジュリアン・クパ。
http://junquonimura.jugem.jp/?eid=114
5月25日に、どうやら保釈されたみたいです。
しかし、何の証拠もなしに、半年もサンテ監獄に彼をぶちこむフランス政府。
権力の濫用ですよね。
とまれ、クパは、はやくも精神的なリーダーに。
彼の肖像を模したポッシュワール(壁へのステンシル画)もパリで見られるようになったそう。

 

| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 23:13 | comments(2) | trackbacks(74) | pookmark |
極東アナキスムの聖地
 私の小さい脳味噌で頑張って翻訳した「きみはアナーキストか。それともリバタリアンか?(ピエール・ガルニエ記事)」が今晩配信されました。

http://www.diplo.jp/articles09/0901-3.html

この号には、釜慶大学歴史学教授の曹世鉉氏が、今月号の『ル・モンド・ディプロマティーク』に「極東にもいたアナーキストたち」という記事を寄せています。曹世鉉氏は、極東アナキスム運動の専門家で、書籍を出しているようです。中国では彼の本が一冊『清末民初無政府派的文化思想』が出ていますが、曹先生の『極東の無政府主義:革命の歴史』、誰か日本語に訳してくれないかしら。

 極東の有名なアナーキストの名前をいくつか挙げてみると……。
日本では、幸徳秋水(1871-1911)、大杉栄(1885-1923)、石川三四郎(1876-1956)。
中国では、李石曾(1881-1973)、柳師傅 (1884-1915)、巴金(1904-2005)。
韓国では、申采浩(1880-1936)、 Ryu Cha-myong (1891-1985) 。

 曹先生によれば、最初は、ロシアのニヒリスムと混同されていたようですが、その後、すぐさま、当時の社会運動の一環として広がっていったそうです。
 ピョートル・アレクセイヴィチ・クロポトキンの無政府主義的共産主義は、とりわけ、日本において、あらゆるストライキの核になっていたといいます(大杉栄も翻訳していますしね)。

 また、曹先生によれば、アジアで最も大事なアナキストは、プルードンや、バクーニンではなく、クロポトキンなのだそう。というのも、クロポトキンの哲学は、儒教に似ているところがあるというのです。

 国際的団結こそが、帝国主義・軍国主義を打ち負かすことができるというクロちゃんの思想は、アジア人好みだったんですね。いわば、西洋と東洋のアナキスムの架け橋役をしたのですね。

 そして、クロちゃんの影響をうけた日本でのアナキスム思想は、アート(文学、詩、とりわけ演劇)に浸透し、フェミニズムや、エスペラント語運動、そして、日本でのParias(伏字なので仏語で書いておきます)解放運動にもつながっていく…と曹先生はいいます。

 ということは、やっぱり、わが街・墨田区は、やっぱり、極東のアナキスムの聖地の一つなんです。解放を目指した輝かしい学校「きねがわ小学校」が昭和初期に建てられ、「差別を許さず、人権を守る街づくり」を住民たちが目指してきた街。
考えてみると、今まで気づきませんでしたが、上海の旧フランス租界にしろ、パリ20区(ベルヴィル)にしろ、ここ15年間ほど私の住んできた街は、アナキズムの聖地ばかりだということに気づきました。パリ20区のベルヴィルは、大杉栄の住んでいたホテルがあるところで、パリのアナキストたちが黒の旗を振ってあるくところ(レジスタンスの影響でパリのこのあたりの築はアナキストやサンディカリストが今でも多い)。上海旧仏租界は、アジア中の思想家とスパイが隠れていたところ。かつての巴金の家は、元自宅の対面にありました。



クロちゃん(左)。巴金(右)の若いときはかっこよかったのですね。

おまけ:もう手放してしまいましたが、ここが私の上海のスミカでした。
「徹子の部屋」ならぬ「JUNQUOの部屋をお楽しみください」
http://plaza.rakuten.co.jp/polkadotprincess/diary/200611200000/
http://oneday55.exblog.jp/3914632

JUGEMテーマ:旅行


| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 00:08 | comments(7) | - | pookmark |
仏を代表するインテリ左翼の新顔、Julien Coupat(ジュリアン・クパ)って誰だ?
昨年11月8日未明、フランス国鉄のカテナリーの破壊があり、ダイヤが大幅に乱れるとういう事件がありました。その数日後、コレーズ県タルナックに住む若者グループが検挙され、現在もなおリーダー格のジュリアン・クパ(34歳)が「テログループとのつながりを持ち、破壊活動を指導した」というかどで拘留され続けています。
しかし、彼には身柄を拘束されるような確固たる証拠はないんです。
「サルコジ政権による言論弾圧では?」
「冤罪では?」という非難が知識人や若者たちからもあがって、フランスでは各地でジュリアン・クパの釈放を求めるデモが行われているようです。

警察は、クパらを「アナーキスト自主管理集団」と呼んでいますが、本人たちが「アナーキスト」を自称していたかどうかは不明。でも、思想的にシチュアショニストの流れを汲むことは、どうやら自称していたようです。

実はこのクパとその仲間たちは、村人たちの目からは、オルタナタィヴな生き方を実践しているものわかりのいい自由な若者たちであり、コンサートなどの数々のイベントを催し、食料雑貨店を経営し、地域の人々に愛されていたといいます。
リーダー格のクパ君は、アナキズムの影響を受けたポスト・シチュアショニスト系の哲学雑誌『ティカン』の発行人のひとり。社会科学高等学院の社会学の博士号を持つ、ごっついインテリ。

一瞬にして「時の人」となったクパ君の名前をブログ検索すると、その自由な生き方が若者たちの人気をさらっていることがわかります。また、インターネット新聞『Rue89』によれば、クパは、コーン=ベンディット、ピエール・ゴールドマン、ジョゼ・ボヴェに続く、フランスの「左翼の新代名詞」になりつつあると言います。若きフレンチ左翼ヒーローの誕生です。

クパの横顔

クパ君は、お父さんがお医者さん。お母さんが製薬会社の管理クラスというブルジョワ家庭で、1974年にボルドーに生まれました。最初はグランドゼコールで経済を学んでいましたが、どういうわけか路線を急激に変えて、政治学の道に進み、超難関エリートの社会科学高等学院の博士課程に進んでいます。政治学といっても、むしろ哲学が好きな男の子だったようで、ギ・ド・ボール周辺について論文を書いていたようです。
社会学者のリュック・ボルタンスキ(クリスチャン・ボルタンスキのお兄さんで、ブルデューの弟子)と、クパ君は近い存在のようで、現代の資本主義における68年の遺産を批判的に検討したボルタンスキの著書『Le nouvel esprit du capitalisme』に彼の名前が載っているそうです。
その後、クパ君は、コレーズ県(リムザン地方)のタルナック(Tarnac)という田舎の村に居を構えます。友人たちと、村の食料雑貨店を経営しながら、都会では実践できない新しいコミュニティのあり方を実践しようとしていたのでしょう。タルナックの村の村長さんは「ジュリアン・クパは、大いなる知性と優しさを持った男だ」と言い、釈放運動の音頭をとっているようです。

「テロとの戦い」というスローガンに乗じ、目障りな若者を「悪役」に仕立てているサルコジ現政権。しかし、若者たちを締め付けるほどに、逆にクパのような反体制派のヒーローの人気が高まるという構図が生まれるということに気づいているのかな(結構、頭悪いな)。

今年は奇しくもプルードン生誕200周年。「アナキスム」という言葉は、まるで「テロリスト」の同義語のように誤用されているけど、「真の自由とは何か」が今年こそは、問われてしかるべき年にふさわしいはず。フランスでもプルードンの再評価が始まっている。「真の自由」を求めるフランスの若者たちの動きは、世界に波及してほしい。

最近釈放されたジュリアン・クパの彼女。でも、ジュリアン・クパの写真は見つからなかった。残念。

JUGEMテーマ:ニュース


| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 01:23 | comments(2) | - | pookmark |
蜂がいなくなって、フルーツが食べれなくなる!
世界中の蜂が、現在、急減少しています。 その理由はまだ解明していません。
ヨーロッパでもそうですが、とりわけ、蜂の減少が顕著なのがアメリカ。
アメリカでは、養蜂農家の二つに一軒は、蜂蜜を作るためではなく、果物や野菜の広大な農地の花粉の受粉のために、蜂を育てているそうですね。蜂たちを広い農場や果樹園に放つわけです。放牧みたいですね。たとえば、ペンシルバニアのある養蜂農家は、蜂の巣をトラックに積んで、フロリダのオレンジ畑に行き、そこで蜂たちを放ってオレンジの花の受粉をさせます。2週間後、ペンシルバニアに戻って、今度はりんごの花の受粉です。その次の月は、カルフォルニアに往き、アーモンドの花の受粉です。このように、蜂たちは、果物を作っているアメリカの農家に蜂のレンタルをしているのです。なので、蜂が減少すれば、果物が採れなくなるというリスクが出てくるわけなのです。
 もしも、蜂がこの調子で消えていくとすると、2012年にはアーモンドの栽培は難しくなってくるという報告が、9月19日付けのフランスのクォリティペーパー、「ル・モンド」にありました。
 農家は、蜂の一家(女王ばちを中心とした大家族=一つの巣)をかりるとき、蜂の巣ひとつごとに、45ドルから65ドルのレンタル料をはらっていましたが、現在はそのレンタル料は、その3−4倍も値上がりし、平均170ドルとなっているそうです。当然、りんごやオレンジ、アーモンドもわれわれ消費者にとって高くなることでしょう。
 実は、蜂だけではく、受粉をしてくれるほかの虫たちも減少しており、現在、かつてないほどの食糧危機をアメリカも迎えているようです。
 原因は、いくつかの原因が考えられるということです。まずは、強い殺虫剤。これが長い間にわたって蜂の巣に蓄積しているではないかという説。そして、携帯電話などの電波。これが蜂たちが巣に戻るのを狂わせているのではないかという説。そして、遺伝子組み換えのとうもろこしの畑からの被害ではないかという推論。しかし、専門家たちのこれまでの調べでは、これといった徹底的な原因はつきとめられていないということです。
風がふくと桶屋もうかる。
蜂が消えると、日本への影響も大きいかも。
こんな商品もなくなってしまいそう
| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 22:43 | comments(5) | - | pookmark |
温暖化難民 その2
前回のつづきホットコーヒー

この本「refugies climatique(温暖化難民)」に掲載されている9ケ国以外にも、温暖化・環境難民が出ている地域は、たくさんあります。ル・モンド・ディプロマティークの編集した『ラトラス・アンヴィロヌマン』という環境特集特別号によればフィンランドに住むサミー族をはじめとする北極圏の少数民族たちや、ナイルのデルタ、メコンデルタなどもこうした危機に迫られており、生物の多様性だけでなく、人種の多様性もすらも危機にある状態だと報告してます。
 また、アフガニスタンも数多くの温暖化難民が出ていることを、中村哲医師もHPレポートしています。アフガニスタンでは、ひどい大干ばつによって、赤痢などの病気が大発生しているといいます。また、乾燥地でも育つことができるな芥子ぐらいしか畑ではつくれなくなっているのだそうです。そこで、中村さんは募金で水路をつくっています。

オックスフォード大学のノーマン・マイヤーズ博士によれば、2010年から2050年の40年間に、2千万人以上の人が、自分の土地を捨ててどこかに移動しないといけないとシミュレーション計算していますが、温暖化難民は、戦争などによってでてくる政治難民よりも実は多いのだそうです。

今ジュネーブ条約で規定されているいわゆる「難民」の規定は、一般的には「政治難民」なのだそうですが、この難民条約で定められた「難民」の定義を拡大解釈することが性急に叫ばれています。しかし、実際には、戦争難民だけでも国際機関は、手に負えないほど手一杯で、温暖化移民を検討するにあたっては、まだまだそのめどすらついていないのが事実です。

日本の難民の対応については、ご存知のとおり、すこぶる評判が悪く、「日本は、難民を受けるよと世界に言っているだけで、実際は受け入れようとは思っていない国」と、世界からバッシングを受けている状態です。1981年にこの難民条約加入し、難民の認定手続等を定めているのにもかかわらず、実際には、入国管理当局の認定基準が非公開且つ厳格で、難民調査官及び法務大臣という法務省官吏のみが調査・認定権限を有し、他国に比べ極端に受入れ人数が少なすぎるということで国際団体からプレッシャーをかけられています。このため、2005年5月から、外部の学識経験者等(文化人、弁護士等を含む)が難民審査参与員として難民認定手続に関与する制度が導入されています。


●日本の環境報道と、エコという言葉について

2004 年の始めに発生した津波や、最近の米国南部のハリケーン被害のように突発的に発生し、大きく報道されるような自然災害に遭遇した人々は民間や公的人道支援の恩恵を受けることができました。しかし、一方で世界中でゆっくりとした環境の変化による影響を受けている数え切れないほどの人々はあまり支援を受けられず、やむなく事態に適応し、「難民」としても認知されていません。こうした状況を打破しようと、アルゴス団は、迫力あり、説得力のあるルポルタージュ写真という手段で、訴えようとしたわけです。インターネットで見ることができるのですが、どれも素晴らしい写真です。

日本では、「エコロジー」という言葉が、まるで企業の免罪符のようになっている傾向がいなめません。もちろんそうした傾向は、日本だけの傾向ではないとはいえ、「エコ」という言葉が、ライフスタイルに置き換えられているのは、とても日本的な流儀です。「エコロジーという言葉は、微妙に、世界と日本ではズレているのではないか」とぼんやり感じてきました。これは、まったくの私見なのですが、フランスやイタリアなどでは、エコロジーというと「クジラを救え!」的なアングロサクソン的な思想のほかに「人権の問題」のパーセンテージがずっと多い気がしました。緑を守ろうとか提案する前に、抹殺されている子供や、瀕死の民族を救おうと呼びかけるのが当たり前だという口調があります。

それに比べ、日本においては「エコ」は、ますます「リラックス」と「健康」、それに得に「ハイテク」とパラレルになってきた傾向があるような気がします。日常のことからスタートするというのはよい発想だとおもいます。経済的なエンジンがかかることも良いことだと思います。が、いつまでもそこにとどまっているのはどうでしょう。人権という問題に触れるのはどのマスコミもめんどくさいのでしょうが、もうすこし、真正面から取り組んでもらえないかなあ、と思います。
思うに、「エコ」という言葉が「環境問題」という少しヘビーなテーマから、ライフスタイルのような軽い話へのチェンジを提案するようになった、こうした日本のマスコミの傾向は、そのようにしたほうが広告主がつきやすいという経済的な問題も勿論あるのでしょうが、実は、日本が国際報道に興味がないひとが大半を占める国であるいうことに、最大の原因があるのではないかと思います。環境問題は、国境の中だけをみていたら決して何も知ることができない問題です。「モッタイナイという言葉が日本には古くからあった」というセリフは、マータイさんのような人の口から聞くと感動的なのですが、未来ではなく過去ばかりをふりかえっている人が「日本には伝統的にモッタイナイという言葉があって〜ウンヌン」などというのを聞くと、ただの国粋的な言説に聞こえてしまいます。まるで、熱帯魚の水槽の中だけがsafeだったらokという感じです。でも、日本の中だけで、持続可能であればいいのでしょうか。

日本の政府やメディアが温暖化難民の問題に真正面からとりくめるか、どうか。
世界やアジアは、このことを興味深くみています。そして、温暖化難民の問題に取り組むことは、同時に、日本の中に現在蔓延している閉塞感を打ち破っていくきっかけになる機会になるのではないかとおもいます。

| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 01:11 | comments(2) | - | pookmark |
温暖化難民について 1
1月26日、ディプロの有志(土田修さん、斉藤かぐみさん、にむら)で参加したWSD荒川フォーラムで、温暖化難民についてふれました。去年訳した中では、この記事が最も個人的には興味深かったので、このテーマをすこし広げたり、ほりさげたりしたいとおもいます。


2050年には、一億5千万人以上の温暖化難民がでると試算されています。「温暖化難民」という言葉は、「refugies climatiques」の訳語(意訳)です。この訳語は、2007年の4月にディプロにのっていた記事2007年4月号の記事「バングラデシュ、明日の温暖化難民」)を訳した際に、私たちディプロの翻訳者たちで考えました(主訳は阿部幸さんと、岡林祐子さん。プルーフとチェックが私と斉藤かぐみさんでした)。そのとき、そのまま字面を訳して「気候難民」にするか、それとも、それでは意味が伝わらないので「環境難民」にしようかというアイディアも出たのですが、臨場感とインパクトを言葉にもたせるために苦肉の策として「温暖化難民」という言葉を選びました。「温暖化難民」というと、人間が自然を破壊した末に、難民が出ているというニュアンスが伝わるかと思ったからです。
この記事のあらましは、ざっとこんなかんじです。

地球温暖化のせいで、ヒマラヤの氷河が溶けはじめ、海に流れ出る水の量が増え、海面も上昇したせいで、バングラデシュの川の流れが悪くなり、洪水がおこり、洪水が次第に大規模化・長期化・マンネリ化するようになっていき、人が暮らせなくなってしまった。

また、それだけではなく、モンスーン期以外の降水量の著しい減少によって、北西部は逆に旱魃に見舞われ、川の水量が減り、潮の力で押し上げられた塩水がどんどん北部に入り込むようになり、田畑と地下水層を汚染。気候変動に関する政府間パネルのレポートによれば、海面が45センチ上昇すると、平地国バングラデシュでは550万人が移住を余儀なくされ、国土の10.9%が失われる。

こうした被害は、もちろん、バングラデシュの国の自業自得というわけではない。実際、バングラデシュの温暖化ガスの排出量は世界全体の0.3%か0.4%にすぎない。

生きる場所を失ったこうしたバングラデシュ難民たちを救う手は、「1951年のジュネーヴ条約に定められた難民の定義を、温暖化難民にまで広げる」しかないのではないか。実際、気候変動の社会・経済的影響に関する研究をしているアティク・ラーマン教授は、「各国が現在と過去の排出量に応じて、一定数の温暖化難民を引き受ける。つまり、一種のペナルティーとして難民受け入れの義務を負うという方法」を提案している。

「一見突飛な説かもしれないが、まじめに検討されてしかるべきだろう」。

 実は、2007年の4月の時点で、私たちが訳していたときには、この「温暖化難民」という言葉は何処にもありませんでした。しかし、現在はgoogleで検索してみると、毎日新聞を始め、「温暖化難民」という言葉は、すこしづつ使われ始めているようです。それだけ、このテーマに日本でも関心がもたれはじめているのだと思います。



さて、この「温暖化難民」という言葉なのですが、さきほど、「refugies climatiques」の訳語だと書きましたが、このフランス語の「refugies climatiques」という言葉は、フランスにおいては、「アルゴス団(collectif ARGOS)」という、フリーのジャーナリストと報道写真家たちのグループが作っているインターネット・マガジンが一番最初に考案した言葉なのだそうです。ディプロに寄稿してくれた、この記事の筆者(ドナシアン・ガルニエ)も、アルゴス団に所属するフリージャーナリストのひとりなのですが、「アルゴス団」は、エコロジーだけではなく、色々な問題について取り上げている、フリーのジャーナリストたちのグループです。パリの20区、ガンベッタのあたりに拠点を構えています(パリの20区のこのあたりは、伝統的に左です。第三共和制を作ったイタリア移民のレオン・ガンベッタの名前が付されたこの地区は、ここ3年ぐらいの間でボボ化というか、すごくお洒落な場所となりました。アルゴス集団も、流行に敏感でお洒落なインテリ左翼という気がします)。
実は、この「温暖化難民」というテーマは、アルゴスのチームで取り組んだ集団プロジェクトで、去年の11月に「refugies climatiques」という名の、書籍を出しました。そして、このルポ写真集は、「ジャーナリズムとスクープの国際フェスティバル@アンジェ(festival international du Scoop et du journalisme d'Angers)」で、ドキュメンタリー賞を受賞しました。 素晴らしいルポ写真集で、世界で起きている9つの温暖化難民問題をテーマにしています。 
その9つのケースは次のとおりです。


アラスカ
 多くの野生動物が生息するアラスカ北極圏の湿地帯で海岸浸食が急速に進んでいる
ドイツ
 北ドイツ・ハリゲン諸島(海抜1メートル)の浸水。
ネパール
 イムジャ氷河湖は現在水深90M、2800万トンもの水を抱える氷河湖です。この湖が決壊をすると下流の住民に大打撃。
中国
内陸部の猛烈な黄砂と旱魃。
モルジブ
地球温暖化を原因とする海面上昇と珊瑚礁の死滅により国土が消滅する危険。現在、人工島「フルマーレ」を造成している。
バングラデシュ
ディプロの記事参照
チャド
こちらは近年の砂漠化の進行で、湖が干上がり、魚がいなくなった。
ツバル
政府はニュージーランド政府と協議し、集団移住を計画中。
ニュー・オリンズ
台風カタリーナの影響で、15万人のルイジアナ市の難民が、未だにヒューストンで生活。世界一の二酸化炭素排出国であり、京都議定書にサインをしなかった国が、最大規模の難民の移動を出したというアイロニー。



ちょっと長いので、つづきはまた数日後によつばのクローバー
| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 00:00 | comments(1) | - | pookmark |
「美しい国」の自然浪費





今日、こんな記事をよんで、エステサロンの待ち合い室で、ひとりで激怒していました。

***

 好天の影響でダイコンの出荷量が増え、値下がりが続くため、県内最大のダイコン生産地、萩市吉部の「千石台だいこん」の生産者でつくる千石台出荷組合(松田秀男組合長、14戸)は29日、約200トンのダイコンを廃棄処分にした。農家が複雑な表情で見守る中、ダイコンはトラクターで次々と畑で処分された。

 同組合によると、特産の「千石台だいこん」の出荷量は、11月は800トン以上に上り、平年に比べ2、3割増えた。このため、市場価格は1本当たり50、60円台で推移。平年比の30%前後の値下がり状態という。このままでは、安値傾向が続き、生産や運搬コストに見合った利益が得られないため、あぶらんど萩農協と協議して、生産調整を決めた。

 廃棄作業を見守る農家は「涙が止まらない」「手間暇掛けて作ったダイコンを捨てるなんて」と唇をかんでいた。

 同組合では今年、生産者が昨年より2戸増え、作付面積も15ヘクタール増えて、計100ヘクタールに拡大。今年の出荷量を4200トン(約3億円)と見込んでいた。

 松田組合長は「非常に残念な結果で、現状では出荷しても赤字になってしまう。消費者はもったいないと思うでしょうが、生産者も同じ気持ちです」と悔しがっていた。
(西日本新聞より引用)


*****

ちょっと前に、白菜や牛乳も同様の運命でした。

食育とか、ロハス(Life Style of Health and Sustainability)とか、外国での日本食レストラン認定制度とか言う前に、こうした問題を真剣に考えないといけないと思う。
日本の最低劣悪な食事情については、wv001253さんも、言及しています。50年後には、試算によれば、お魚がいなくなってしまうとも数週間前に何かで読みました。はっきり言って、日本の未来は真っ暗。これでは、若者でなくても自殺したくなります。

「エコマネーを使うコミュニティーが日本に存在すれば、そのコミュニティーにダイコンをあげればいいのに」と思ったりしますが、さて、我が国にはそんなコミュニティがあるのかしら? ダイコンと何かの労働力を交換するというexchangeではダメなの…? フランスやポルトガルにはSELという、知識と労働力や才能を交換するシステムがあります。リスボンの友人イザベルは、「アーティストのミゲルさんに名刺をデザインしてもらった」とかっこいい名詞を私にみせ、「そのかわり、彼の娘さんのベビーシッターを半日してあげたのよ」と言っていました。
 私もパリに住んでいるとき、折り紙を教えて(鶴しか知りませんが)、フランス語の翻訳の直し(いわゆるネイティヴCheck)をしてもらったことがあります。また、日本語の通訳をして、ディナーフルコース2人分@その人の家、を作ってもらったこともあります。

 「ダイコンをいただく代わりに、私、萩市吉部の農家の方々に何ができるかしら?」と勝手に考えていたら、何もできそうもないことが発覚。掃除? 洗濯? 料理? うーん…どれも全滅。農家のネコと犬の世話なら出来そうですが、間に合っていますよね、きっと。

追記:何も廃棄せずとも、中国宮廷料理に出てくる彫刻されたダイコンみたいに、芸術用ダイコンの練習にしたり、ダイコンに入っている成分から化粧品作ったりすることできないのかしら。とも思いました。

| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 00:27 | comments(12) | trackbacks(26) | pookmark |
Corporation Free Island 南Y島
近未来都市から、のどかな田舎へフェリーで20分。ここは、香港離島の南Y島。実は、私、20代の時、この島に数カ月住んだことがあります。今でも、島の様子は、全然変わっていませんでした。何といっても、大企業が島に進出していない。チェーンのコンビニとか、レストラン、ブランド店、一切ナシ。すべては個人商店だけ。そして、車が一台もなく、様々な国籍がミックスされて一緒に住んでいる平和な楽園島なのです。島の村の大きさが、ヒューマンサイズなので、島の人は皆、顔見知り。

http://en.wikipedia.org/wiki/Lamma_Island


香港島の南西に位置し、フェリーで20分。13キロ平方で、人口は6000人未満。そのうち、40国籍近く(見積もりによる)の外国人を擁するらしいです。ネイティブたちを始めとし、九龍地区のゴミゴミした場所に飽き飽きした香港人、英国人、オーストラリア人、フランス人、イタリア人、スペイン人、日本人、台湾人、中国人(メインランダー)、メキシカン、インド人、シンガポール人、イスラエル人、カナダ人、アメリカ人、フィリピン人、西アフリカ人(セネガル、ナイジェリア等)、南アフリカ人、アイリッシュ、ダッチ、ベルジャン、タイ、マレーシア、ベトナム、キウイ……。私が知っているだけでも約30国籍。でも、ラマに住む人達にとっては、国籍なんてほとんど意味をなさないように思えます(母国語は何であるかということぐらいで)。

大なり小なりの文化的背景の差さえあれど、大した摩擦もなく、皆平和に暮らしています。外人たちは、コスモポリタンで、複数の文化的背景を持っている人(バイリンガルだったり、広東語がしゃべれたり、両親が違う国籍だったり、長年外国に住んでいたり、国境を容易に超えることができるひとたち)が多いです。また、車がないせいか、島の犬やネコたちも性格がいいです。

豆腐花のテント

こんな平和でのどかな島だから、週末は、香港島からピクニック気分で訪れる人が沢山います。彼等の目的は、ビーチと、海鮮料理と、豆腐花。

香港でスィーツ好きを称する人ならば、知らない人はいない南Y島の豆腐花は、絶品!
溶樹湾からビーチに向かう道の途中、黒い布を張ったテントが現れます。もうじき70歳になるチンお婆さんの、このささやかな「豆腐花店」は、「阿婆豆腐花店」として、南Y島伝説になっています。チンお婆さん、まだ中国が文化大革命の最中、中国本土からやってきて、香港に寄らずにまっすぐにラマに来たといいます。お婆さんがホームメイドの豆腐ビジネスを始めたのは20年ほど前。「お兄さんが作っているのを見て覚えたの」だそう。列ができるほど、週末は混んでいるので、ご主人のマーさんがお手伝いしています。朝早く行けば、お婆さんたちが豆腐花を作っている様子を見ることができます。

豆腐6HK$、自家製豆乳5HK$。「熱いの? 冷たいの?」と聞かれます。



香港の隠れ家、南Y島。お願いだから、これからも、大企業様、お願いですから、レジャーランドなどを作ることなく、そっとしておいてください。
| にむらじゅんこ | エコ・ヒーローたち | 13:11 | comments(8) | trackbacks(29) | pookmark |
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