JUNQUO的博客

「もっと知性にやう゛ぁんを」を座右の銘にするにむらじゅんこのヨロズ帳
from 巴里・上海・東京。
お仕事サイトはhttp://junquonimura.eco.to
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - | pookmark |
国際テロリスト、カルロス
JUGEMテーマ:映画
 



 1973年から1984年にかけて世界中で83人を殺害、100人を負傷させた極左テログループを指揮した伝説のテロリスト、「カルロス」こと、イリイッチ・ラミレス・サンチェスを主人公にした映画を、オリビエ・アサイヤスが作ったということで、取り寄せて見てみました(見たのは、映画版ではなく、カナル・プリュスで流れていたらしいTV版の長〜い三部作)。

 

  事実から相当離れているかもしれないけど、カルロスのことをあまり知らなかった私にとっては、前半は、かなりおもしろかった。Marks&Spencerの社長の弟(兄?)で熱心なユダヤ教徒だったJoseph Edward Seifを襲ったり、シオニストと評判のハポアリム銀行を爆破したり、そして、サンジェルマン・デ・プレにあった有名なドラッグストアを爆破したり・・・。ドラッグストア爆破事件(サンジェルマン・デ・プレ教会の目の前、レンヌ通りの四つ角にかつてあった有名なお店)は、私の義理母たちも実際に近くにいて巻き込まれそうになったと何度も聞いていたけど、これってカルロスの仕業だったんだ・・・。このお店、当時の60年代ポップな内装がお洒落で、パリで最初にハンバーガーを販売したりするような有名店だったらしいですね。

 

 ハーグ事件で日本の赤軍とカルロスが関わるシーンもあった。西川純、奥平純三、和光晴生とおもわしき三人が登場。残念ながら重信房子は出てこなかったな。

 

 しかし、カルロス役を演じたエドガー・ラミレスはすごい。母国語のスペイン語のほかに英語、イタリア語、ドイツ語、フランス語を流暢に話し、ドイツ語もできる俳優さん。まあ、世界一の国際テロリストだったカルロスの役をやるくらいならば、このぐらいの語学力がないと無理だろうけど。

 

 映画の中にはチラリとしか出てこないけど、あのジャック・ヴェルジェス弁護士が出ていて(しかも俳優、本人に似ている!)私の胸はキューとしました。あの、元ナチス親衛隊長のクラウス・バルビーのほか、ポルポト、アクション・ディレクトの活動家など、いわくつきの人々を弁護してきたジャック・ヴェルジェスがカルロスの弁護士だったのですね(フセイン元イラク大統領がベルジェを弁護士につけたがっていましたが、結局は実現しなかったみたいです。また、ヴェルジェスはかつてコミュニストで毛沢東の知人でもありました)。

 

とにかく、メートル・ヴェルジェスのすばらしい頭脳にしろ、「悪者の刻印」を押されている人を弁護しつつ本当の悪を暴きだす論法にしろ、世界一のニヒリスト弁護士に違いないこの人が出てきた瞬間に、私はもう主人公のカルロスのことなんてどうでもよくなってしまいました。

 

 ところで、カルロスは相変わらず口の減らない人で、獄中からアサイヤスの映画について「事実と違う」と文句をたくさん言ったり、オバマ大統領に手紙を書いたり、アクティブに手紙を書いているそうですね。そして、ウーゴ・チャベスもカルロス(=ベネズエラ人)を絶賛しているようですが・・・。

 

とにかく映画の前半は若きカルロスは男らしくて素敵ですが、後半のカルロスは性病持ちのデブ中年で、ダメな男として描かれているので、カルロスにファンタスムを抱いている人は、後半は見ないほうがいいとおもいます。

| にむらじゅんこ | 映画 | 08:36 | comments(4) | trackbacks(3) | pookmark |
「山谷──やられたら、やりかえせ!」YAMA-ATTACK TO ATTACK
アントニオ・ネグリ氏の招聘がダメだった芸大のイベントで、「山谷──やられたら、やりかえせ!」を上映してた。前から見たかったドキュメンタリー映画だったので雨の中、花粉の中を見に行った。



 もしも私がフランスに住んでいなければ、おそらく山谷に特別の興味を持つことはなかったはず。フランスと山谷・・・全然ピンとこないよね。でも、パリの11区&20区暮らしが長かった私は、人権問題から目をそらすことができない癖がついてしまったのです。というのも、かつての私の街では、ホームレスたちのための炊き出し「心のレストラン」がしばしば行われ、大杉栄も住んでいたアナーキストたちのGQだったから。それに、私の元・義理の父がヒューマニスト系のアーティストだったこと、シチュアショニストたちの作品が好きだったことなどなど・・・・・。そんな環境が、いまの私の体質をつくってしまったのだから、仕方ない感じ。もお、ひとつの体癖だ。



「山谷──やられたら、やりかえせ!」は、日雇い労働者達の過酷な労働と生活で知られる東京都の下町・山谷を舞台にしたドキュメンタリー作品。タブーを撮ったということで、二人の監督は、次々と暴力団に殺された。最初の監督はクランクインしてすぐに。そしてそれを完成させた共同制作者のもうひとりの監督は、映画を完成させてからに。呪われた映画は数あれでも、ここまでタブー観を濃く放つ映画もそうあるまい。

素人の監督が作ったということで、なんとなく構成はゆるいけど、素材が新鮮なのと、出てくる人たちが魅力的なので楽しめた。1980年代と今のドヤ街の相違にも、時代と歴史を感じさせられた。とくに、頭にタオルを巻いた労働者の人たちが警察とやりあっている姿には、素直に感動し「かっこいい」と思った。

しかし、疑問点もたくさんある。最大の疑問は、非常に簡略化した物語の構造。「争議団+労働者 VS 暴力団+警察」という2抗対立。警察と893の関係が密接というのは昔からのものだからわかるけど、この図式はありえない。というか、すべての二項対立はフィクションでしかないよ。映画の中ではチンピラ連中は労働者の報酬からマージンをとって、「食い物」にしている。

労働者のマージンをとったり人権を剥奪するチンピラ = 資本主義のシンボル

みたいなかんじで、監督たちの気持ちはすごくわかる(というか、わかりやすすぎ)! でも、本当に非難すべきは、チンピラとか暴力団ではないんじゃないかな。チンピラのブローカーは、世間の下流者として、山谷の人たちと同じ味ではないけど、違う類の辛酸を舐めている人かも・・・と思った。非難すべきは、で吹き溜まりにやってくる893ではなく、自由主義社会のエゴイズムの肥大化した冷酷無比な世界新秩序。イグナシオ・ラモネ氏が「悪のポーカー」と呼ぶ4つの国際団体「IMF・ 国際通貨基金」「世界 銀行」「OECD 経済協力開発機構」「WTO 世界貿易機構」の団体ほうが、893団体よりもワルじゃないのかな。

 争議団のプロパガンダっぽく思えるシーンもあるけど、そうした疑問・問題を置いておいても、なお、なお、おじさんたちが結束して立ち上がるシーンには感動した。

やっぱ、抵抗しなければ、人間の資格ないよね! これからも、楽しく、お洒落でキュートに抵抗するように心がけようっときのこレッド

 ← おまけ
| にむらじゅんこ | 映画 | 23:53 | comments(3) | - | pookmark |
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
+ SPONSORED LINKS
+ RECOMMEND
クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力 (平凡社新書)
クスクスの謎―人と人をつなげる粒パスタの魅力 (平凡社新書) (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ
マグレブ発、現在は「フランスの国民食」となったクスクス。イタリア、ポルトガル、カーボヴェルデ、ブラジル、セネガル、マリ....etc. クスクスは国境を越えた魔法のごはんです。
+ RECOMMEND
かわいいモロッコ―雑貨と暮らし
かわいいモロッコ―雑貨と暮らし (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ
女子のための初のモロッコ入門。可愛いだけじゃなくて、不思議なモロッコの扉を押しあけてください。
+ RECOMMEND
手わざが光るモロッコ暮らし (世界の「あたり前の家」 2)
手わざが光るモロッコ暮らし (世界の「あたり前の家」 2) (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ
モロッコのおうちの中って、どんな感じ? この本、パリとマラケシュのセレクトショップに50冊買い上げられました。
+ RECOMMEND
ふだん着のパリ住まい (世界の「あたり前の家」 1)
ふだん着のパリ住まい (世界の「あたり前の家」 1) (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ
パリジャン・パリジェンヌたちの今どきのお部屋って?
+ RECOMMEND
Barbapoux
Barbapoux (JUGEMレビュー »)
ドラジビュス
パリで、にむらが、プロデュースを手がけたCDです。
+ RECOMMEND
フレンチ上海
フレンチ上海 (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ, 菊地 和男
パリが上海に恋してた!
上海の旧フランス租界(1846-1943)の物語。
+ RECOMMEND
おいしいフランス語
おいしいフランス語 (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ, Hamiru Aqui, ハミル アキ
食いしん坊のための仏語
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
フランス語で綴るグリーティングカード
フランス語で綴るグリーティングカード (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ
もうすぐ暑中見舞いの季節だから
+ RECOMMEND
しぐさで伝えるフランス語
しぐさで伝えるフランス語 (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ, ハミル・アキ
フランス語のジェスチャーは、英語圏のジェスチャーと違う…と実感してかいた一冊。
+ RECOMMEND
Avec ma maman―子どもと行くパリの旅案内
Avec ma maman―子どもと行くパリの旅案内 (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ
表紙をかいてくれた友人、ナタリー・レテ一家をがソトコト8月号に紹介しました
+ RECOMMEND
「ねこ式」イタリア語会話
「ねこ式」イタリア語会話 (JUGEMレビュー »)
にむら じゅんこ, ハミルアキ
ねこと学ぶ。我が家のミーはイタリア語を解します
+ RECOMMEND
パリで出会ったエスニック料理
パリで出会ったエスニック料理 (JUGEMレビュー »)
浅野 光代,にむら じゅんこ
『わたしがパリ案内を頼む唯一の日本人・にむらじゅんこによるエスニック大全!』と鹿島先生からリコメンされました。
+ SELECTED ENTRIES
+ RECENT COMMENTS
+ RECENT TRACKBACK
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ にむらじゅんこのお仕事
http://junquonimura.eco.to
+ blogpeople
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE