JUNQUO的博客

「もっと知性にやう゛ぁんを」を座右の銘にするにむらじゅんこのヨロズ帳
from 巴里・上海・東京。
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ワン・ヤーチャンの絵
JUGEMテーマ:アート・デザイン




 

数年前から気になっている若い中国人画家がいる。それが、ワン・ヤーチャン(王亜強 Wang Yaqiang )。

1977年生まれのヤーチャンは、河南省の新郷というところの生まれ。美術大学とかには行かず、自分で絵を描き始めた独学者。







ブティックを経営していたことがあったそうで、無類のお洋服好きだという。ファッション画を描いているようなノリで描いているのかな。




熊の頭に刺さっているの、なんだろう?



ああ、なんか可愛怖いけど、バルチュスのようなエロティシムがあるとおもう。

ヤーチャンの絵が好きで、私は水彩画を二枚だけ持っている。でも会ったことはない。ギャラリーの人が言うには、彼、河南省にすんでいるみたい。しかし、河南省みたいなところでも、こんなセンスの子がいるんだぁ。

2〜3年ぐらい前から、スペインで彼の人気が高まっているみたい。がんばれ、ヤーチャン!


| にむらじゅんこ | アート | 20:37 | comments(3) | trackbacks(67) | pookmark |
ヴュ・カオ・ダン. 忘れられたベトナム画家



 ヴュ・カオ・ダン

7月11日のエントリーで扱ったレ・フォー(Le Pho , 黎譜)さんは、死ぬ前に、「僕にとっての20世紀最大のベトナム画家は、ヴュ・カオ・ダン(Vu Cao Dam武高談)だった」と言っていたそうだ。



真ん中にいるのが、ヴュ・カオ・ダンさん。右側にいるのが、レ・フォーさん。左にいるめがねの面長の方は、マイ・トゥという画家です。三人は、ベトナム=フランス画家トリオでした。

レさんも、ヴュさんも、2人は、1925年にハノイで設立されたインドシナ美術学校を主席で卒業した優等生で、卒業後、パリに移住し、一生ベトナムに戻ることはなかったディアスポラ画家だ。30年代にフランスに渡り、「国家とは何だろう? 文化とは何だろう?」ということを一生考えぬきながらヨーロッパで生きてきたアジア人である。





ヴュさんの息子さんのミッシェルさんは、モロッコのエッサウィラに住んでいて、やはり彼自身も画家・彫刻家として活躍されている。娘さんのヤニックさんは、著名なイタリア人画家ドメニコ・ニョーリ(1933−1970)と結婚し、マヨルカ島に住んでいる。
ラッキーなことに、ミッシェルさんから、お父様についてのお話を長々と聞くチャンスを得た。

ヴュ・カオ・ダン(1908−2000)は、安南(ベトナム中部地方)の文人の家に生まれたという(しかしながら、ヴュ家は、代々カトリックであった)。

ヴュさんの父は、中国語にも、フランス語にも長けた秀才で、ベトナム翻訳者養成学校の設立者であり、1900年のパリ万博のコーディネイターとしてフランスに渡っている。10人兄弟の6番目に生まれた彼は、姉に育てられたという。
1926年、ハノイのインドシナ美術学校に入学し、校長のヴィクトール・タルデューに彫刻家としての才能を認められ、5年間のプログラムを終えた後、奨学金を得てパリのルーブル美術史学校に留学した。パリでは、バオダイ皇帝とテニスをする仲だったらしい。バオダイ皇帝はヴュさんと一緒に帰国したがっていたようだが、この頃、既にヴュさんはルネさんというブルターニュ出身の恋人がおり、彼女を選ぶか、皇帝を選ぶかということで、結局はヴュさんはルネさんを選んで、フランスに家庭を築く。

戦後、ヴュ一家は、南仏のサン=ポール・ドゥ・ヴァンスに引越し、ここで生計を立てながら成功していくわけだが、面白いのは、ヴュさんの家のすぐ近所にシャガールが住んでいたということだ。ヴュさんの当時の絵は、まるでシャガールのアジア版のよう。 馬というのはベトナムの文人にとっての必須アイテムのようなものであり、ヴュさんの世界は失われた祖国のノスタルジーなのだという。一方、シャガールもロシアからやってきた故郷を失われたユダヤ人画家で、ふたりはお互い通じるところがあったようだ。

シャガールは、ヴュさんに「大事なのは、あなたのままでいることですよ」と言ったという。

私が好きなのは、どちらかというと、ヴュさんのパリ時代の、シルクに描いた40年代の絵。可愛いけど、良くみると悪意のありそうな、少女たち。ネオトニー画の創始者は、ヴュさんではなかっただろうか? 

 


ヴュ・カオ・ダンさんの40年代の作品




7月23日。今日はVu cao Damさんの命日です。彼は、サン・ポール・ドゥ・ヴァンスで、ベトナムの方向に向かって埋められたということです。アーメン!

| にむらじゅんこ | アート | 01:35 | comments(5) | trackbacks(11) | pookmark |
ディクタート。専制政治は、芸術か、変態か。
先日、鹿島先生夫婦とお話していて、独裁者の話が出た。「ポルトガルのサラザール将軍は実に色男だったらしいよ」、と先生。そういえば、蒋介石もなかなか、かっこいい。ヒットラーなどの例外がいるし、独裁者が皆外見がいいとは言えないけど、独裁者のルック(モノクルとか、杖とか、威厳ある顔だちとか、手袋、帽子)は、私は嫌いではない。というか、昔のお洒落な人の美学が好きなんだろうけど…。

パリには「鳥肌実」のフレンチ版がいる。彼の名はオットー。昔の軍隊黒い制服姿に片眼鏡、光ったブーツに革の手袋という出で立ちでパリを歩いているパフォーマー。オットーは、インターネット上のヴァーチャルな国家“ノヴァ・ソドミア”の創始者。自称エロティシスムのファシストで、自分のやっているコトを「ディクタート(独裁芸術)」と呼んでいる。
http://ottodiktart.free.fr
オットーは、わたしが知っている中では誰よりも最強のユニフォーム・フェチ。彼は自分のユニフォームを特注しているのだけど、オーストリア=ハンガリー帝国の征服からヒントを得ているという。「人間は、秩序に対する憧憬があり、命令させることを好む」とオットーは言う。オットーのサイトには、「オットー閣下の国家の住民になりたい」という申し込みが世界から相次いでいるという。

こんなオットーが最近小説を出した。妄想小説で、タイトルは『Foutre du Guerre』オットー閣下の自伝記だ。どうして閣下が独裁者&変態になったのか、が赤裸々に書かれている。独裁者は、やっぱり、どうしても変態なんだろうな。

世界には、鳥肌実やオットーのような人が、各国にいる筈だ。そんなディクタートを(意識的にも、無意識的にも)やっている人たちを集めて集合させてみたい。

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| にむらじゅんこ | アート | 22:13 | comments(6) | trackbacks(37) | pookmark |
ハリースミスが好き
好きな美術館は全然多くない。昔、美術史の勉強をして博物館学芸員の資格やらを所得しただけに、美術館嫌いになった。大抵の美術展は、キュレーターたちの意思によって構成・再構成されていて、西洋的視点な「威圧」と「権力」みたいなアカデミックな人間の意思を背後に感じてしまって、そういう人の手垢のついたものは、「つまんなーい」と思ってしまう。



でも、そんな、私にも好きな美術館がある。パリにある現代美術館『ジュ・ド・ポム』だ。ここは、そういった私の超批判的な視線を、好奇心に変えてしまうほどいい展覧会を、時々やる。

もう、かなり昔になるが(99年だったかな)、ここでハリースミスをやっていて、ここではじめて私はハリースミスの名を知った。



ハリー・スミス(1923-1991)は、おそらく世界一オタクな超博学のエキサントリック学者。前衛シネアストにて、画家、音楽学者、人類学者、言語学者、奇術師、オカルト歴史家、哲学者、そしてオーディオ・レコーディング、ポップアップ・ブック(飛び出す絵本)、アルメニアのイースター・エッグの大コレクター……。多くのフィールドで活躍したスミス氏だけど、彼の最も有名な功績は、アメリカン・フォーク音楽を研究して、選集『 Anthology of American Folk Music』を作ったことでしょう。52年にリリースされたこのコンピLPセットは、60年代のフォーク・ブームに多大な影響を与えました(97年に復刻されて、現在はアマゾンなどで購入できます 


 たとえば、ボブ・ディラン、ランブリング・ジャック・エリオットらもスミス氏の編んだこの選集から影響を受けたミュージシャンの一例。ジェリー・ガルシアもこれからブルーズを学んだそうです。

また、ハリー・スミスは、2人のひねくれたビートニク詩人(エド・サンダース&テューリ・カプファーバーグ)によって1964年に結成された「ザ・ファグス」のプロデューサーでもありました。その他、アレン・ギンズバーグのハモンドオルガン、カイオワ(インディアン)のペヨーテ・ミーティングなどの珍音楽をどんどんプロデュースしました。またチャーリー・パーカーやモンクらとのコラボも有名です。(ここではすべての功績を挙げるスペースがないので、興味のある方は www.harrysmitharchives.com.へ!)
 氏はチェルシー・ホテルで91年に息を引き取りましたが、死後、徐々に「20世紀の前衛芸術家」としての世界的な評価が高まっています。


追記:パティ・スミスの自伝を読んでいて知ったのですが、一文無しのパティ・スミスとロバート・メイプルソープがチェルシーホテルに(自分たちのアート作品を担保に)住もうとやってきたときに、ホテルで最初に出会ったのがこのハリー・スミスだったそう。 そのとき、アパラチア地方の音楽の話なんかをして、意気投合したようです。

「あんた、本当に金持ちではないのかね?」とハリーがパティに聞き、
「スミスって名前で金持ちはいないわよ」とパティが答え、
「あんた、本当にスミスって名前なのかね?」とハリー。
「そうよ。それに、私たち親戚かもしれないわ」とパティが言ったそうです。

で、パティ・スミスとメイプルソープは無事にチェルシーホテルの1017室に入れたのでした。

| にむらじゅんこ | アート | 20:13 | comments(2) | trackbacks(6) | pookmark |
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